グラフィックデザイナーを目指したい、副業としてデザインスキルを身に付けたいと考える人が増えてきましたが、気になるのはやっぱり需要と収入です。

岡田くん
グラフィックデザインの仕事の単価っていくらぐらいなの?
グラフィックデザイナーの需要ってどうなの?
この記事はそんな疑問にお答えする内容となっております。
是非、最後までお読みください。
自身で経営しているクリエイティブ会社でグラフィックデザイナーを数人雇用しています。
そのためグラフィックデザイナーの仕事の需要については常にリサーチしており、その収入についても熟知しています。
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新人スタッフで筆者エイジが経営するクリエイティブ会社で実際に働いています。
デザインについてはまだまだ初心者ですが、スキルを身に付けるために一歩一歩前進中です。
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【社員か個人か】グラフィックデザイナーの給料と明細公開・需要も解説
グラフィックデザイナーの仕事に興味を持った時に気になることは、やりがいのある仕事かどうか、そしてやはりちゃんと稼げるかどうか?ですね。
やりがいがあるかどうかについては25年ほどこの仕事に携わってきた私が断言できるくらいに十分楽しい仕事です。またグラフィックデザインは成果物の良し悪しを見てすぐに判断できるのでクライアントの反応を肌で感じることができて面白いですね。また成果が目に見えるためモチベーションを維持しやすい仕事です。
ただし楽しすぎて仕事にのめり込んでしまうのもデザイン仕事の特徴で、成果物に対してどこまでも理想を追い求めるあまり業務時間が長くなってしまうことが多く、ブラックな会社が目立つ業界でもあります。
私も経営者として業界は長いですが、スタッフがクライアント指定の作業は終わっているのに自主的にデザインパターン制作したり、個人的にコンペに提出する作品を作ったりなど、好きだからやっているという人もたくさん見かけます。
だからこそグラフィックデザイナーは組織に属して働くよりも、個人で活動することに向いている職種とも言えるのではないでしょうか。
そんなグラフィックデザイナーの需要や収入について、実際のクリエイティブの現場の実情も交えながら解説していきたいと思います。
グラフィックデザイナーの需要を解説

岡田くん

でも実際に会社で受注しているグラフィクデザインの仕事はしっかりあるし、岡田くんの予想は当たっているよ。
まず業界におけるグラフィックデザイナーの数ですが、これははっきり言ってまるで足りていません。
つまりは需要は十分にあるということなのですが、少しだけ言葉を足すと経験値の高い技術と知識を伴ったグラフィックデザイナーが足りていないと言うことです。
実際に求人をするとわかるのですが、独学で学んだことでデザインの基礎を理解していなかったり、IllustratorやPhotoshopの一部の機能しか扱えなかったりする人が多く、実力を伴ったグラフィックデザイナーになかなか出会えない実情がありますね。
逆にもし実力の伴ったグラフィックデザイナーに出会えれば高額の給与を払ってでも入社させたいと思う業界経営者は多いでしょう。
僕がこれまで経営者として働いていたクリエイティブ会社は全部で4社ありましたが、その中で現在も顧問として関わりのあるデザイン会社では、最も高給のグラフィックデザイナーに月給で80万(額面)近く払っています。年収で言えばざっくり1000万近いためなかなか高額ですが、それに見合う仕事は十分にやってくれているという印象です。
その人はグラフィックデザインをまとめる役職も兼任してくれているので、高給になるのは必然ですが、純粋なグラフィックデザイナーというだけでも優秀な人には50万程度の給与は普通に払っています。
その会社は現在だいたい20人近いグラフィックデザイナーが在籍していますが月給平均は30万ちょっとですね。
年功序列は一切関係なく実力に応じて給料を決めています。

岡田くん
モチベーションが上がります!

【社員か個人か】グラフィックデザイナーの給料明細公開と収入比較
20人ほどのグラフィックデザイナーが在籍する会社でも、常にグラフィックデザイナーの人数は足りておらず、だいたい半年に一度は人材募集をかけています。
というのもデザイナーという仕事だけで考えた場合、キャリアを積めば在宅ワークも十分可能なので組織に属している理由が薄くなってしまうのもこの仕事の特徴なので、いわゆる卒業的に会社を辞めてフリーランスに転向してしまうスタッフも少なくないからです。
その場合、もちろん退社したスタッフにフリーランスの外注として仕事を依頼したりもしますが、組織としては外注費用を使わずにできるだけ社内で作業したいわけなので必然的にスタッフを募集することになるというわけですね。
そのような状況なので組織は常に優秀なグラフィックデザイナーを雇いたいということは分かっていただけたと思いますが、実際に社員と個人(フリーランス)ではその収入にはどのように変化するのでしょうか。
実際に現在、僕が顧問をしているデザイン会社S社で雇っていたAさんという方の当時の給与と比較しながら、現在Aさんがどれくらいの報酬を得ているのかと比較しながら具体的に見てみましょう。
まずはAさんのプロフィールです。
・32歳(2020年3月現在)、男性、既婚、お子さん二人
・2019年8月にデザイン会社S社を退職しフリーランスへ
・2016年4月にデザイン会社S社に入社しグラフィックデザイナーとして勤務
・2016年1月よりデザインスクールに通いグラフィックデザインを学ぶ
・2015年末に印刷関係の会社を退社(当時は営業マン)
Aさんは現在フリーランスとして、かつて在籍していたデザイン会社S社の仕事を外注しつつ他社の仕事も請け負っています。
グラフィックデザイナーとしてのキャリアは4年目ですが、そつのないデザインで時間も確実なので質も量も中ぐらいの案件で声をかけることが多いです。
そしてこちらが退社直前のAさんの給与明細です。
額面で28万円、手取りでだいたい23万円くらいですね。
社内では中堅よりやや下くらいのポジションでした。
そして以下が、2020年2月にS社からAさんに外注した案件のリストです。
・展示会DM→20,000円
・展示会パネルA1×12枚(データレイアウト編集)→7,000円×12枚=84.000円
・合計144,000円
さらに以下が僕の会社からAさんに外注した案件リストです。
・商品ロゴデザイン、ラフ3案→30,000円
・合計120,000円
Aさんの話によると、この他にも他社から10万ほどの案件を受注したということでした。
合算すると‥144,000+120,000+100,000=366,000円
当時、S社に社員として勤務していた時と比較してみましょう。
フリーランスグラフィックデザイナー→月報酬・366,000円(税別)
フリーランスとして活動している現在の方がなんと86,000円も増額となっていました。
これなら、フリーランスになった甲斐は十分ありますね。
だいたいコンスタンスに上記のような報酬を得られているということなので、個人として独立したことはAさんにとって収入面では成功と言えそうです。
実際にAさんのようにしっかりと組織で結果を残した後に、退職した会社からフリーランスとしても仕事をもらえると仕事が安定することは多いようです。
ただしフリーランスとして働くことは良い面ばかりではありません。以下にメリットとデメリットをまとめてみました。
・収入が上がることが多い(営業先は確保しておく必要あり)
・通勤する必要がないため時間的な自由がきく
デメリット
・体調不良でも代わりがいないため業務を休めない
・仕事の波がある(忙しい時と暇な時の差が激しく、収入も変動しやすい)
デメリットに関してはリスクと言い換えても良いかもしれません。
個人で安定した収益を得るには行動力と体調管理がより重要になってきそうですね。

岡田くん

本業を別に持ちながら副業レベルで稼ぐ分には丁度良いかもしれないね。
最近は主婦の在宅デザイナーの人も増えているよね。
グラフィックデザインの可能性・普遍的に身に付けておくべきスキル
組織としてもフリーランスになったとしても十分な需要が見込めるグラフィックデザイナーですが、副業として身に付けた場合どのような形で本業と両立できるか気になる人もいるでしょう。
また単純にセカンドスキルとして身に付けておくことのメリットなども気になるところです。
もし副業としてグラフィックデザインのスキルを生かしたい場合は、クラウドソーシングなどの少額案件を受注していくことをオススメします。
その際、スケジュール的に少し余裕のある案件を選ぶことで追い込まれずに作業時間を確保することが可能です。そういった納品しやすい案件を優先的に受けながら徐々に数を増やしていくのが良いですね。本業との兼ね合いもあるので無理は禁物です。
また、副業をするなどの具体的な目標が無くとも、グラフィックデザインは身に付けておくことは様々なシーンで役に立つためオススメのスキルです。
例えば以下のような仕事はデザインの会社でなくとも発生する業務です。
・会社のホームページのデザイン
・会社の名刺やパンフレットのデザイン
本来、社内にデザイナーがいなければ外注する仕事ですが、もしあなたにグラフィックデザインのスキルがあれば、引き受けることができます。もちろん外注費はもらえませんが確実に社内での評価は上がります。
もし転職を考えていた場合でも、就職活動でアピールできる特技として役立つことは間違いありません。
またグラフィックデザインを学ぶメリットとしてもうひとつ覚えておきたいことは、グラフィックデザインは全てのデザインに繋がるベースとなるスキルだということ。
例えばここ最近ネットの普及によって需要が高まっているWebデザインを例に挙げると、必須スキルはグラフィックデザインとコーディングのスキルです。実際にグラフィックデザイナーがコーディングのスキルを身に付けて、Webデザインの仕事まで受注するというケースは非常に多く、グラフィックデザインの延長にWebデザインがあると言っても過言ではありません。
他にもグラフィックデザインの汎用性は高く、以下の通りほとんどのデザインに必須のスキルであることが分かります。
エディトリアルデザイン→グラフィックデザインスキル+編集ソフトInDesignのスキル
動画編集→グラフィックデザインスキル+動画編集ソフトのスキル
つまりクリエイターを目指すなら普遍的にグラフィックデザインは身に付けておいた方が良いということです。
もし将来的にクリエイティブな仕事をしたいと思う可能性があるならオススメのスキルですね。

岡田くん
いろんなデザインに生かせるスキルならしっかり学んでおいて損はないですね!

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まとめ
「【社員か個人か】グラフィックデザイナーの給料と明細公開・需要も解説」いかがでしたでしょうか?
高いスキルを身に付けたグラフィックデザイナーであれば需要は高く、フリーランスになってもしっかり稼げる業種であることを解説させていただきました。
またグラフィックデザインは全てのデザインの原点と言えるべきスキルなので、デザイン関係の仕事をしたいと考えるならしっかり身に付けておきたいでところですね。
グラフィックデザインについての関連記事は他にもありますので、興味があれば以下のリンクより是非ご覧ください。
この記事がグラフィックデザイナーを目指す方にとって少しでも参考になる内容であれば幸いです。
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